「目の前がふわっとする」「立ち上がるとクラッとする」「揺れていないのに揺れている感じがする」。
病院に行って検査しても異常なしと言われる ―― そんな“原因不明のめまい”に悩む方は少なくありません。
実はその多くが、自律神経の乱れによる“機能性めまい” と呼ばれるタイプです。
不整脈・脳・耳の病気ではなく、身体のバランス調整を行う自律神経が崩れた結果、めまいやふらつきが生じます。
この記事では、
めまいの種類 → 自律神経との関係 → 病院との使い分け → 自分でできる改善策
を、できる限り分かりやすく整理して解説します。
めまいのタイプ別にみる「自律神経が関わる症状」
めまいと言っても、自律神経が乱れたときに現れる症状は大きく3タイプに分かれます。
① ふわふわ・フラフラする「浮動性(ふどうせい)めまい」
最も自律神経由来であることが多いタイプです。
- 歩くとふらつく
- 頭が重い・モヤっとする
- 船に揺られているような感覚
- 座っていても地面が揺れる感じがする
これは自律神経が姿勢保持のバランスをうまく調整できない状態 で起こります。
自律神経失調症について知る
② 立ち上がった瞬間にクラッとする「起立性めまい」
自律神経の調整が追いつかず、血圧が急に下がることで生じます。
- 立つとクラッとする
- 朝にふらつきがひどい
- 貧血と間違えられやすい
- 動悸や息切れを伴うこともある
特に朝のふらつき・立ちくらみは、
「交感神経がうまく働かない」
典型的なサインです。
③ 回転しているように感じる「回転性めまい」
自律神経でも起こりますが、
Ménière(メニエール病)・内耳のトラブルなど、耳鼻科領域の可能性もあります。
- ぐるぐる回るような感覚
- 吐き気を伴うことがある
- 横になっても治らないことがある
ただし、原因精査で異常がなければ、
自律神経の過緊張で内耳が敏感になっている
ケースも多くあります。
なぜ自律神経が乱れると“めまい”が起きるのか?
めまいは以下の3つのバランスが崩れることで起きます。
- ① 体の「傾き」を感じる三半規管
- ② 目からの情報(視覚)
- ③ 体の傾きを感じる筋肉や関節(体性感覚)
これらを統合し、“まっすぐ立つための司令塔”となっているのが自律神経です。
・脳の処理が追いつかない
・三半規管が過敏になる
・姿勢保持の筋肉が緊張し続ける
結果として、体が揺れていないのに揺れるように感じたり、
地面がふわふわする“機能性めまい”が起きます。
(1)ストレス・不安による自律神経の緊張
交感神経が過剰に働き、常に体が緊張モードになります。
- 肩・首まわりが固まる
- 呼吸が浅くなる
- 脳への血流が低下する
これが浮動性めまいやふらつきにつながります。
(2)首・肩こりによる血流低下(スマホ首が典型)
姿勢の乱れは、自律神経と深く関係する首の副交感神経を圧迫します。
- 後頭部の重さ
- 目の奥の疲労
- 頭が重い
これらは「めまい予備軍」と言われる状態です。
(3)呼吸の乱れ(浅い呼吸が続く)
呼吸が浅いと、酸素・二酸化炭素のバランスが崩れ、
- 頭がスーッと抜ける感じ
- クラッとする
- 過呼吸の手前の症状
など、めまいに似た症状が起きやすくなります。
(4)睡眠不足・不規則な生活
自律神経は睡眠中に整えられるため、
睡眠不足はめまいを強く悪化させます。
(5)更年期・ホルモンバランスの変化
女性に多いのが、更年期前後のホルモン変動による自律神経の乱れです。
特に浮動性めまいが多く見られます。
病院に行くべき“危険なめまい”の特徴
めまいのほとんどは自律神経・姿勢・ストレスが原因ですが、
以下に当てはまる場合は医療機関の受診が必要です。
- ・ろれつが回らない
- ・手足のしびれが同時に出た
- ・顔面の片側が動きにくい
- ・激しい頭痛を伴う
- ・一度意識を失った
これらは脳血管疾患の可能性があるため、早急な対応が必要です。
上記に当てはまらないにもかかわらず、
「原因不明」「検査異常なし」と言われ続けるめまいは、
自律神経アプローチで改善するケースが非常に多い です。
自律神経が原因の“めまい・ふらつき”に自分でできる対策
検査で異常がないと言われためまいは、
「どうせ原因不明だから…」とあきらめてしまいがち です。
しかし、自律神経の乱れ・姿勢・呼吸・首肩の緊張が整ってくると、
「気づいたらめまいが減っていた」というケースがとても多くあります。
ここでは、仕事・家事・育児で忙しい方でも取り入れやすい対策を中心にご紹介します。
① まずは“呼吸”を整える(一番即効性がある)
自律神経とめまいの改善で最優先したいのが「呼吸」です。
浅い胸式呼吸のままだと、脳への酸素と血流が不足しやすく、ふわふわ感が続きます。
● めまい・ふらつき対策の“ゆっくり吐く呼吸法”
- イスに浅く腰掛け、背もたれに軽くもたれる
- 肩の力を抜き、鼻から4秒かけて静かに吸う
- 口をすぼめて、8〜10秒かけて細く長く吐く
- 目は軽く閉じていてOK(目の疲れもケアできる)
- 5〜10回繰り返す(1〜2分)
ポイント:「深く吸う」より「長く吐く」。
吐く時間が長いほど、副交感神経が働きやすくなり、脳の興奮が落ち着いてきます。
ふわっとした感覚を感じたときや、人混み・電車・エレベーター内でも行える方法です。
② 首・肩・あごの力を抜く(“めまい体質”の典型ポイント)
自律神経性のめまいがある方の多くは、
首・肩・あごに力が入りやすく、常に緊張した状態になっています。
● 首の横ストレッチ(左右20〜30秒)
椅子に座り、背筋をまっすぐにして行います。
- 右手で頭の左側を軽く押さえる
- ゆっくり右側に倒し、左の首筋を伸ばす
- そのまま呼吸を3〜5回繰り返す
- 反対側も同様に行う
首の側面がじんわり伸びて、目の奥の重さが和らいでくる感覚があればOKです。
● あごの力みを抜く簡単ワーク
- 口の中で「ウイ〜」と小さく口を動かす
- 「イ」の形で口角を軽く横に開き、5秒キープ
- その後「ポカン」と口を軽く開け、あごの関節をゆるめる
噛みしめ癖がある人は、これだけで頭の重さ・ふわふわ感が軽くなることが多いです。
③ “めまいに効く姿勢”をつくる(スマホ首・猫背改善)
長時間のスマホ・PC作業は、首の前傾(スマホ首)と猫背を招き、
首〜後頭部の自律神経ポイントを圧迫します。
● 壁を使った“姿勢リセット”(30秒)
- 壁に背中をつけて立つ
- かかと・お尻・背中・後頭部を軽く壁につける
- アゴを軽く引く(押しつけ過ぎない)
- 自然な呼吸をしながら20〜30秒キープ
「これが本来のニュートラルな姿勢なんだ」と身体に覚えさせることが目的です。
PC作業前・休憩時間など、1日3〜5回行うと、首や背中の緊張が取れてきます。
④ 冷え対策で“血流めまい”を予防する
自律神経が乱れると、手足末端の血管が収縮し、冷えやすくなります。
冷えは筋肉の緊張を強め、脳への血流を低下させ、めまいを悪化させます。
・首を冷やさない(ストール・マフラー)
・お腹・腰に薄い腹巻きをする
・足首を出しっぱなしにしない
・湯船にゆっくり浸かる(38〜40℃)
特に「お風呂で楽になるめまい」は、血流と自律神経が関係していることが多いです。
⑤ 朝の“立ちくらみ対策”(起き上がり方を変える)
起立性のめまいがある方は、
「起き方」そのものを変えるだけで発作が減ることがあります。
● 正しい起き上がり方
- 目が覚めたら、いきなり起き上がらず、まずは仰向けのまま数回深呼吸
- 横向きになり、膝を曲げて丸くなる(エビのような姿勢)
- 腕で床(ベッド)を押しながら、ゆっくり上体を起こす
- 座った状態で30秒〜1分待ち、それから立つ
ポイント:「寝る → いきなり立つ」をやめること。
血圧の急降下を防ぎ、自律神経の調整が追いつくようにしてあげます。
⑥ “めまいが怖くて外出しづらい”ときのステップ
自律神経が原因のめまいは、
「またフラッとしたらどうしよう」という予期不安
によって、外出が怖くなってしまうことがあります。
この場合は、次のような順番で慣らしていくのがおすすめです。
- 家の中で歩きながら呼吸法を行う
- 家の周りを5分だけ散歩する
- 不安が少ない場所(近所の公園、コンビニなど)に短時間出てみる
- 電車・人混みは、安心できる人と一緒のときから試す
「大丈夫だった」という体験を少しずつ積むことで、
自律神経だけでなく、脳の“不安中枢”も落ち着いていきます。
⑦ 食事・水分でできる“めまい予防”
食事や水分不足も、自律神経性めまいを悪化させます。
・カフェインのとりすぎに注意(コーヒー・エナジードリンク)
・血糖値の乱高下を防ぐ(甘いもののドカ食いを避ける)
・こまめに水分補給(脱水はめまいの大敵)
特に、カフェインは一時的にスッキリしますが、
交感神経を過度に刺激し、後から大きな疲労感やめまいを誘発することがあります。
⑧ 寝る前の“自律神経クールダウンルーティン”
夜になるとふわふわ・グラグラ感が強くなるタイプの人は、
寝る60分前から自律神経を「休息モード」に切り替える意識が大切です。
● 寝る前60分のおすすめ習慣
- スマホ・PCをできるだけ見ない
- 部屋の照明を少し落とす
- 首・肩・背中のストレッチをゆっくり行う
- 湯船につかっている場合は、寝る1時間前までに上がる
- 呼吸法を5〜10回行う
睡眠中に自律神経は回復します。
「寝る前にどれだけブレーキを踏めるか」が、翌日のめまいの出やすさに直結します。
自律神経が関わる“めまい”に整体や鍼灸でできること
病院で「異常なし」と言われためまいの場合、
骨や耳・脳の器質的疾患ではなく、機能の問題(=自律神経)であるケースが多くあります。
整体・鍼灸は、この“機能の乱れ”に働きかけることができるため、
西洋医学と補完的に組み合わせることで改善率が高まります。
① 首・後頭部の緊張をゆるめて脳の血流を整える
自律神経が集まるポイントは、首(頸椎)〜後頭部です。
ここが固まると脳への血流が低下し、ふわふわめまい・立ちくらみが悪化します。
● 施術で行うこと
・首〜後頭部の深層筋をゆるめる
・頸椎の歪みを整え、神経の圧迫を軽減
・頭部の血流を改善して“脳の疲労感”をとる
後頭部が軽くなることで、
「地面が揺れる感じがなくなった」「頭がスッキリした」という変化が起こりやすい箇所です。
② 呼吸筋(肋間・横隔膜)の緊張をゆるめる
呼吸が浅い状態が続くと、脳に十分な酸素が届かずめまいが長引きます。
整体では、肋間筋・横隔膜をゆるめ、腹式呼吸が自然にできる状態へ戻します。
呼吸が深くなると交感神経の興奮が落ち着き、
身体のふらつきや頭の重さが自然と減っていきます。
③ 骨盤・姿勢を整えて“再発しにくい体”に戻す
スマホ首や猫背・骨盤のゆがみは、めまいの根本原因のひとつです。
姿勢が悪いと、首・背中・呼吸のすべてが乱れるため、
自律神経の回復が追いつかなくなります。
● 姿勢矯正で期待できる効果
・首にかかる負担が減る
・背中の緊張が抜ける
・呼吸がスムーズになる
・めまいの“予期不安”が起こりにくくなる
正しい姿勢が身につくと、
日常生活での“揺れるような感覚”が徐々に消えていきます。
④ 自律神経を整える鍼灸
呼吸が浅く、筋肉の緊張が強い方には、
鍼灸で首・肩・背中の交感神経ポイントをゆるめる施術が有効な場合があります。
鍼灸は、筋肉の深部に直接アプローチできるため、
自分では届かない“自律神経が関わるポイント”に作用しやすいのが特徴です。
どれくらいで改善するのか?(改善の目安)
めまいは原因の組み合わせによって回復速度が変わります。
当院の臨床ではおおよそ次のような傾向があります。
● 軽度(浮動性めまい・朝のふらつき)
1〜3回の施術で改善を実感しやすい
● 中度(姿勢・呼吸の崩れが強い)
2〜6週間でふわふわ感が大幅に軽減
● 長期のめまい・不安が強いケース
1〜3ヶ月で「揺れる感覚」が安定してくる
めまいは再発しやすい症状ですが、
呼吸・姿勢・生活習慣が整うと再発率が大きく下がることが特徴です。
まとめ:病院で異常なしと言われためまいは“自律神経ケア”で改善する
病院で異常がなくても、めまいやふらつきが続くと不安になりますよね。
しかし、原因不明ではなく、
自律神経・姿勢・呼吸の乱れが背景にあるケースが非常に多いです。
- 呼吸が浅くなる → 脳への酸素不足
- 首・肩の緊張 → 自律神経ポイントの圧迫
- 寝不足・ストレス → 自律神経が回復できない
- 姿勢の崩れ → ふらつき・浮動感の悪化
これらが整うと、長年のふわふわめまいでも改善していくことがあります。
「病院では異常なしと言われたけど、めまいが続く…」
そんな方は、どうかひとりで悩まずご相談ください。
自律神経失調症の無料相談
ご予約・空席確認
なおインターネットからのご予約は施術日の3週間前~当日1時間前まで受け付けております。直前や3週間以降のご予約はお電話にて承ります。
またキャンセルされる時は必ずお電話でお願い致します。当日キャンセルは出来るだけお控え下さい。
自律神経失調症について他の記事も読む
自律神経失調症の治療実績と改善例
自律神経失調症とうつ病は違います
自律神経失調症 診断テスト
自律神経とストレスは密接な関係にあります
質問項目の分析で不調の原因と改善策を探ろう
あなたのストレス状態に合わせた治療方法
自律神経を整えるセルフケア
監修者
未病堂治療院 院長 岡本陽子
中国気功整体師(歴19年)
2010年綱島に治療院を開業。15年間、自律神経失調症・慢性疲労・更年期など原因がはっきりしない不調に特化した整体・鍼灸治療に携わる。
体質改善と再発しにくい身体づくりを重視している。
参考にした公開情報
めまいに関する公的医療情報・医療機関の一般向け解説内容を参照し、当院の専門知識を加えて再構成しています。本文はすべてオリジナルです。
※本記事は医療行為の助言ではありません。症状が強い場合は医療機関を受診してください。
自律神経失調症のQA
寝つけない・眠れない原因は自律神経の乱れ?深い睡眠を取り戻すための完全ガイド
動悸・息切れと自律神経|病院で異常なしでも続く理由と改善方法
産後の不安・不眠はどうして起こる?ホルモン・自律神経・育児疲労から徹底解説【産後のママ向け】
病院で異常なしと言われた“めまい”は自律神経?考えられる原因と対策まとめ
胃もたれ・食欲が出ない・下痢や便秘…これって自律神経?原因と改善方法を専門家が解説
更年期と自律神経|理由のわからない不調・だるさ・気分の落ち込みの原因と改善方法
息苦しい・呼吸がしづらいのは自律神経?不安感・過呼吸の原因と改善方法【専門家ガイド】
朝のだるさ・疲労感は自律神経の乱れ?寝ても疲れが取れない原因と改善方法【完全ガイド】
食後に息苦しい・みぞおちがつかえるのは自律神経?胃の張り・逆流と横隔膜の圧迫による呼吸のしづらさを専門家が解説
喉のつかえ・ヒステリー球は自律神経?不安・ストレス・首こりと喉の違和感の原因を専門家が解説
起立でクラッとする・ふらつくのは自律神経?起立性低血圧・起立性調節障害(OD)・POTSの原因と改善方法




