自律神経失調症とは
自律神経は交感神経と副交感神経の2種類で構成されていて、お互いが車のブレーキとアクセルのようにバランスをとりながら、全身の血管や内臓の働きを操っています。この2種類の交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、正常に働かない身体の状態を「自律神経失調症」言います。
自律神経は全身に分布してさまざまな器官を調整していますので、症状は心臓・血管系、呼吸器、消化器、皮膚、生殖器、手足、関節にいたるまで、身体のありとあらゆるところに現われます。ですから「自律神経失調症って何科に行けばいいの?」と迷ってしまう方も多いと思います。実際、内科や整形外科などを受診しても特に悪いところはなく、いろんな検査したのに心療内科や神経科を紹介されるケースも少なくありません。
自律神経失調症について知る
自律神経失調症の4つのタイプ
理想(スーパーアスリート)型
交感神経も副交感神経も高い
自律神経の機能が充実していて、体力、気力ともに高く、エンジン全開で自分の力を発揮できるごく少数派。
がんばりすぎ型(ストレス)
交感神経が高く、副交感神経が低い
アクセル踏みっぱなしで、ブレーキが効かず突っ走りストレスを溜めやすい現代人に一番多いタイプ。血管が収縮し体が固まり、イライラしたり、興奮しやすく、無理をし続けるとガクンと一気にやる気がなくなったり、過呼吸やパニック状態になったりします。高血圧で早口な人、常に何か考えてる人に多いです。
のんびり型
交感神経が低く、副交感神経が高い
やる気がなく、からだ全体の活力が低下していてブレーキが効きすぎて、うつ気味になる傾向があります。朝起きれない、低血圧、だるさやむくみ、微熱が続いてたり、下痢、せき、アレルギー、泌尿器系のトラブルなども多いです。
ぐったりお疲れ型
交感神経も副交感神経も低い
自律神経のバランスは崩れていないが、エンジン自体ののパワーがなく、疲れやすく、やる気もないタイプ。血流も悪く頭がボーッとしてだるさや不眠、頭痛など、常に不調に悩まされ、免疫も低く病気になりやすいです。
自律神経失調症になりやすい人
性格的に真面目で几帳面、人の目や細かいことが気になる、緊張しやすかったり心配症やご自分の感情を抑えてしまう人など、いわゆるストレスを感じやすく、ストレスに弱いタイプ。一方意外に多いのが責任感が強く人に頼れず、何でも120%頑張らないと気が済まない人、せっかちな人はむしろストレスに強く、自分でストレスが溜まっているのが分からないタイプです。
また体質的にみると、冷え性や胃腸虚弱、低血圧、睡眠や呼吸が浅く、声が小さい人などは日々の生活でそれらの症状がストレスになってます。さらに猫背やストレートネックなどの悪姿勢や、くいしばり、早口など身体の力が抜けない人は、自律神経の通っている脊椎そのものを常に圧迫してしまっている為、自律神経失調症になりやすいと言えます。
- 性格
- 真面目、几帳面、細かいことが気になる、緊張しやすい、心配症、感情を抑える、真面目、几帳面、細かいことが気になる、緊張しやすい、心配症、感情を抑える
- 体質
- 冷え性、胃腸虚弱、低血圧、睡眠が浅い、呼吸が浅い、声が小さい、猫背、ストレートネック、姿勢が悪い、くいしばり、早口、力が抜けない
自律神経失調症は男性より女性の方がなりやすい?
自律神経失調症の原因の一つにホルモンの変化がありますが、これはホルモン分泌を管理している脳の視床下部という所が自律神経のコントロールセンターでもあるので、ホルモンの変化が自律神経のバランスに影響すると言われています。女性は10代の思春期初潮から50代の更年期閉経まで、毎月女性ホルモンの変化がありますので、男性に比べると女性の方が自律神経のバランスを崩しやすい傾向があります。月経だけでなく、妊娠、出産で体質まで変わってしまう女性もいますし、その後の子育てや家事などご自分のペースではなく、家族に合わせて行動しがちな女性は、予期しないことに対応したり、余計な心配事を考えすぎたりして、自分でも気づかないうちに上記にあるような自律神経失調症になりやすい人になってしまいがちです。
また男女関わらず更年期を迎える40~50代は、ホルモンバランスが乱れやすいだけでなく、身体の変化や仕事面や介護などのストレスが加わり、自律神経失調症のリスクが高まりやすいと言えます。
自律神経失調症の診断基準
自律神経を検査する事は出来ないのでしょうか?
ごく一部のクリニックや研究所などでは、指先の末梢血液循環から心拍リズムの変動を分析する機械や、手首に計測器をつけて、座位と立位の心電図と血圧の変化を測定して診断の参考にしている所もあります。また最近では専用のスマホアプリもあって、自分で取った脈拍をもとに心拍変動を分析してアドバイスをくれるようです。
しかしいずれも現段階では、あくまでも心拍と血圧から自律神経の機能を推定する機械であることと、そもそも自律神経は常に変動を繰り返してバランスを取っている神経なので、診断に結びつく検査結果を出せる機械を作ることは難しいと言えるでしょう。
自律神経失調症の診断テストで不調の原因を知ろう
自律神経失調症に効果的な3つの治療方法
首と骨盤に焦点を絞った整体
鍼灸による自己回復力のUP
身体を理解する為の説明
治療の金額
回数券などもありますので、定期的に通われる方はおすすめです。
治療の期間
1年は長いと思われるかもしれませんが、一度症状が良くなっても気候の変動がかなり影響される症状なので、1年間通して治療を継続すると身体との付き合い方が分かり、セルフケアや施術を受けるタイミングも判断できるようになります。自律神経失調症は病気ではなく、症状がさまざまで重軽度や治ったという感覚も個人差がありますので、下記の期間はあくまでも参考としてご理解ください。
【治療期】
初診~3回目:3~4日に1度
【回復期】
2週間~1ケ月目:5~7日に1度
【養生期】
2~5か月目:週に1回
【維持期】
6か月~1年:2週間に1回
自律神経失調症の治療症例
コロナ後遺症で一度治っためまいが再発(40代女性、横浜市在住会社員)
出産後めまいがあったが、子育てと仕事で忙しく何とかやり過ごしてきた。それから8年経って、来院2ヶ月前よりひどいめまいと同時に動悸やのぼせが出るようになった。耳鼻科や婦人科に行って薬や漢方も処方してもらったが治らず、中途覚醒や便秘など他の症状も気になり自律神経のバランスが悪いと思って来院されました。
施術を始めてすぐに日中のめまいは良くなりましたが、寝返り時のめまいがなかなか取れず2ヶ月かかりました。3ヶ月目に入るとめまいだけでなく頭痛も睡眠も改善され、春先には今まで何年も飲んでいた花粉症の薬も要らなくなるほど体調も良くなりました。
パニック障害の発作で死ぬかと思った(50代女性、横浜市在住主婦)
19年前からパニック障害だが屯服薬でやり過ごして来た。この頃血圧も高く常に不安感と体の強張りがあり、発作が出ると血の気が引きこのまま死ぬかと思うようになり来院されました。電車はかろうじて乗れるが日によっては発作が出るのではないかと予期不安があり、急行や特急は絶対無理なので通院にも勇気が要ったと思います。
初診時の脈、舌、体の触診でかなり症状が重いと判断したので、週2回の施術をしたところ3回目で首、肩、背中の痛みは軽くなり、同時に目がスッキリして不安感が徐々になくなって来ました。2か月後には頭痛、かかとを含む体の痛みはほとんどなくなり自律神経やメンタルも安定して、ついに3ケ月後には、横浜から急行も特急も乗れるようになり自信が持てるようになりました。