主な症状

・7年前から腰痛と殿部、足に痛みがある

・横になって寝ていても痛いときがある

・来院1週前に痛みがひどくなり病院で腰椎分離症と診断

・現在、処方された痛み止めで我慢している

 

<検査>

・立って前にかがむ(前屈)時に、手が床まで20センチも距離がある

・SLR陰性

・トーマステスト陰性

・L4・5間にやや階段変形がある

治療過程

1回目:腰部だけではなく背部の筋肉もバリバリに張っているので痛みを誘発させ、前屈が少ししか出来ない状態。腰背部をじっくり整体で筋肉をほぐし、電気パルスを施しました。

2回目:前屈が15センチまで改善され、初回同様の治療を続ける。だいぶ痛みは改善され寝ていても痛みは全く感じないとのこと。治療後前屈8センチまで改善するがまだ腰部に痛みは少し残る。

4回目:さらに2回治療を続け、腰のまわりの殿部と足もしっかりほぐすことで痛みがさらに改善した。痛みが出ない程度のストレッチを指導し、定期的に治療するようにアドバイスをする。

その後さらに2回治療して前屈5センチまで曲げれるようになった。長時間座っているとときどき左腰に痛みを感じる時があるが、以前にあった殿部、足への痛みは無くなった。

先生のコメント

腰椎分離症とは、腰椎の後ろの椎弓という突起が折れて分離した状態です。先天性のもの、スポーツによる疲労骨折、加齢などが原因ですが、必ずしも分離している事が痛みの原因ではなく、分離した部位の異常な動きにより骨や線維性組織が反応し増殖され、その組織が神経根を圧迫して痛みを生じていると考えられています。

この方の症状は幼少期の疲労骨折で骨折部位に偽関節を生じてしまい、その周辺の組織を過度に動かすと炎症を起こし、さらに肥厚し神経を圧迫してしまったと考えられます。

鍼灸治療はの特徴の一つに炎症を抑える消炎作用があります。今回は整体で周囲の血行改善、筋肉の伸縮を取り戻し、鍼の消炎症作用を利用することで痛みの緩和につながりました。