パソコンやスマホなどの普及で近年急増しているのが「首こり」です。
猫背などの姿勢不良からストレートネックや頸椎狭窄の方が多く、首の可動範囲を狭くし肩こりや背中痛、頭痛、寝違えなどを引き起こします。さらにひどくなると眼精疲労、耳鳴りやめまい、顎関節症、吐き気など自律神経失調症にも発展します。
首は細かい神経や血管があり、筋肉も繊細なので熟知した専門家の治療が必要です。

当院で最も重視している治療部位ですので、お悩みの方は是非ご相談下さい。

姿勢が良い場合は、首の前後ろの筋肉のバランスが取れています

姿勢が良い場合は、首の前後ろの筋肉のバランスが取れています。猫背になると、首の後ろの筋肉ばかりが緊張し、首の前の筋肉は萎縮して首・肩こりにつながります。姿勢をまっすぐに!と思っても、猫背の人は首の前の筋肉がないため、3分もその姿勢を維持することができません。また、下顎が前・後方にずれている為、姿勢を良くすると、二重あごになってしまう方もいます。これは顎を出す姿勢の長く続いて出来たいらない肉のせいです。
こうして悪い姿勢はどんどん悪い状況を作り出し、自分の意識だけでは治せなくなっていきます。きちんと筋肉のバランスを取り戻しながら、姿勢矯正して行くことが必要です。

「顎を引く」ことで改善するストレートネックと自律神経への影響

首の骨(頸椎)の自然なカーブがなくなり、首が前に出て同時に顎が突き出た姿勢が「ストレートネック」ですが、これを改善するための基本的なポイントが「顎を引く」という動作です。そんな簡単な事と思われましたか?実は悪い姿勢習慣で出来た筋肉の癖があると、息苦しなったり、違和感があったり意外にスムーズには行きません。しかし少しずつ意識することで改善されますので、ぜひ試してみて下さい。

「顎を引く」ことで得られる効果

「顎を引く」とは、顔を下に向けるのではなく、軽く後ろに引くイメージで行います。これにより、以下のような効果が期待できます。

  • 首本来のカーブが戻る:頸椎の自然なカーブが回復し、首への負担が軽減されます。
  • 肩や背中の緊張が和らぐ:頭の重さを適切に支えられるようになり、首や肩こりが改善されます。
  • 自律神経が整う:首の緊張が緩和されることで副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。
  • 呼吸が深くなる:正しい姿勢を保つことで胸が開き、気道への圧迫もなくなるので酸素をしっかり取り込めるようになります。

整体と日常生活での実践方法

整体では、ストレートネックによる首や顎まわりの筋肉の緊張を和らげ、正しい姿勢へ導く施術を行いますので、併せて日常の習慣も意識して頂くことが大切です。

①整体での具体的なアプローチ

  • 頸椎の調整:「顎を引く」姿勢を保ちやすくするために首の骨のアライメントを調整する。
  • 胸鎖乳突筋のリリース:胸鎖乳突筋の緊張を緩め、ストレートネックの改善を促す。
  • 咀嚼筋のほぐし:咬筋や側頭筋をやさしくほぐし、食いしばりによる筋緊張を和らげ、顎関節の動きをスムーズする。
  • 呼吸とリラックス法の指導:副交感神経を活性化するため、深い呼吸を意識した姿勢指導を行う。

②日常で実践できる「顎を引く」習慣

  • スマホを見るときの姿勢:スマホは目線の高さに持ち上げ、首を前に出さないようにする。
  • デスクワーク時の意識:モニターの高さを目線に調整し、椅子に深く座って背筋を伸ばす。
  • 巻きタオル枕のストレッチ:首と肩の間に丸めたバスタオルをいれて、頭をやや後方に倒して首の後ろを伸ばします。
  • 車の運転姿勢:運転席の背もたれを立たせて、出来るだけ背中や頭をつけて運転しましょう。視野も広がり長時間の運転でも疲れにくくなります。

Topics

ストレートネックに多い「顎関節症」にも効果あり!!
猫背やストレートネックで、顎が前に突き出ると「顎関節症」になりすいです。食いしばりや歯ぎしりを伴なったりストレスや過緊張も加わり、顎の痛みや開閉時の違和感、カクカクとした音が鳴るなどの症状を引き起こします。

「顎を引く」ことによる筋肉への影響

「顎を引く」ことで、首や顎周りの筋肉が正しく機能し、顎関節症の改善につながります。ここでは、主に関係する筋肉について解説します。

1. 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)

  • 首の側面にある大きな筋肉で、頭を前に出したり回旋させたりする働きを持つ。
  • ストレートネックの状態では過剰に緊張し、顎が前に出る原因となる。
  • 「顎を引く」ことで、この筋肉が適度に緩み、首のバランスが整う。

2. 顎関節と咀嚼筋(そしゃくきん)

  • 咀嚼筋には、咬筋(こうきん)、側頭筋(そくとうきん)、内側翼突筋(ないそくよくとつきん)、外側翼突筋(がいそくよくとつきん)があり、これらが連携して顎の動きをコントロールする。
  • 食いしばりや歯ぎしりにより、特に咬筋や側頭筋が硬くなり、顎関節に負担がかかる。
  • 「顎を引く」ことで、顎の位置が適正になり、咀嚼筋への負担が軽減される。

3. 舌骨筋群(ぜっこつきんぐん)

  • 顎の下にある舌骨に付着する筋肉群で、飲み込みや発声にも関与する。
  • 顎が前に出ていると舌骨筋が引っ張られ、喉の緊張や呼吸の浅さにつながる。
  • 「顎を引く」ことで、舌骨筋がリラックスし、喉や気道の圧迫が軽減される。
このように、「顎を引く」ことは首から顎にかけての筋肉バランスを整え、顎関節への負担を軽減するのに有効なのです。

まとめ

「顎を引く」ことは、ストレートネックの改善だけでなく、顎関節症にも良い影響を与えます。正しい顎の位置を保つことで、顎関節への負担が軽減され、咀嚼筋のバランスが整い、自律神経の働きも安定します。
整体での施術と、日常生活での姿勢改善を組み合わせることで、顎関節症の根本的な改善につながります。ストレスや食いしばりに悩んでいる方は、「顎を引く」習慣を取り入れ、健康な首と顎を目指しましょう。