主な症状

頸椎症性神経根症とは、首から手先までつながっている神経根が圧迫されることで腕や手先に痛みやしびれなどの症状が表れる病気のことをいいます。原因としては、加齢に伴う頸椎の変形で、普段の姿勢の悪さなどの生活習慣も病気の発症の要因となることがあります。例えばスマートフォンを使用する際に不適切な姿勢を続けることで首への過度の負担をかける、パソコン画面を使用する際に首を反らせて長時間使用する、などが挙げられます。 

主な症状は首の動かしにくさとともに、左右どちらか片側の腕や手、肩や肩甲骨首周辺までの痛みやしびれがあります。症状が強い場合には痛みやしびれだけではなく、末梢部位の感覚まひなどを引き起こすこともあります。症状が強くなる態勢としては、首を上に向ける動作が挙げられます。これは頸椎を後ろに反らすことで神経の圧迫が強くなるためです。症状を訴える人の中には上肢が自由に動かせなくなったりして、手に力をいれることが難しいという症状が表れる人もいます。その場合には、神経根の圧迫によりまひしてしまった筋肉が萎縮してしまうため、迅速な治療が必要です。 

 

整形外科で一般的な治療法は、手術や頚椎装具カラーの装着、痛止め薬の内服、神経ブロック注射などがありますが、当院では首や肩甲骨周辺の血行を促進して、筋肉を緩め穏やかな牽引をすることにより、しびれや痛みを緩和させます。
 

今回の患者さんは30代の男性で、来院4日前に発症してカイロプラティックやペインクリニックでブロック注射をしたけど、効果がなくと言うことでした。

治療過程

<主な症状>
・右の首から指先までの痛み、しびれ
・右の背中の痛み
・右手先の冷え

<検査>
・ジャクソンテスト陽性
・C5狭窄狭窄
・尺骨、橈骨神経圧迫

<治療過程 >
1回目:  来院時、問診の際にも腕を触っていなければならないほどしびれと痛みがあり、うつ伏せで施術を始めたが、痛みで落ち着かないので、右上の横向きの姿勢に変えたら落ち着き治療できた。痛みがひどいので、首や肩甲骨周辺の筋肉を緩めた状態で細かく施術して行き、軽く関節を動かしながら圧迫しない手技で治療した後、仰向けで頸椎際の調整をして牽引した所、痛みが全くなくなった。しかし首を戻すと痛みが再発。2~3度繰り返し終了。セルフケアのアドバイスをして自宅でも行って頂くよう伝えた。 

2回目:初回時の痛みから半減をキープしている状態。うつ伏せの施術からスタート。冷たかった手も暖かくなり、最後の首の牽引では良く伸び痛みは消失。

先生のコメント

30代で仕事最優先の方だったので、痛みが緩和された所で治療がストップしてしまっていますが、本来の治療はここからです。首の可動域を広げ、神経への圧迫を繰り返さないよう首だけでなく、肩甲骨や背骨の柔軟性を高めることが「頸椎症性神経根症」の再発防止になります。