首と同様に身体の歪みに大きく影響を及ぼすのが、「骨盤」です。
文字通り、骨の基盤であり背骨の土台になって体幹を支えている部分です。
ゆえに土台をしっかり安定させることで、背骨やからだ全体のバランスが取れ、筋肉の過緊張がなくなり、自律神経への圧迫を取ることができます。
ところが、背骨の上部は内臓を守るため肋骨で横に支えがありますが、下部の腰椎には肋骨がありません。その上、背骨の終点である腰椎、骨盤にはもっとも重力=負担がかかるのです。

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その負担を補うために、腰部には腰方形筋や大腰筋(図1-2)、骨盤は大・中・小の3層のおしりの筋肉などで支えられています。その筋肉のバランスが崩れると骨盤のゆがみが生じます。
特にデスクワークなどで長時間座っていると、頭から腰までの体重がすべておしりの筋肉にかかります。背骨を立たせるために背骨の両脇にある脊柱起立筋、先ほどの腰方形筋、大腰筋は緊張した状態が続きますので、無意識に脚を組んだり腰を丸めたりすることで、アンバランスな筋肉になり、徐々に骨盤をゆがめてしまいます。

当院では特に、腰椎と骨盤の間の腰仙関節(青)、骨盤内の仙腸関節(茶)の歪みを重要視しています。緊張した筋肉をしっかりほぐすことで、バランスの良い伸縮性を取り戻し、この腰仙関節と仙腸関節をストレッチしてズレをなくします。ほんの少しですが可動域のある関節なので、しっかり動かすことにより日常生活の中でも使えるようにして、それぞれの関節及び背骨への負担を軽減します。

①腰方形筋、大腰筋を緩める

②お尻の筋肉(大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋など)を緩める

③骨盤の関節(腰仙・仙腸)を重視したストレッチする

④背骨一つ一つをツイストしながらストレッチする

骨盤内の自律神経

また骨盤の歪みは背骨への影響だけでなく、腰部、骨盤内の仙骨には副交感神経が通っていて腸や膀胱、生殖器(子宮や精巣)のコントロールをしています。これらはホルモンバランスや免疫力を大きく左右する器官ですので、とても重要な身体の土台であると言えます。

腰椎(上下腸間膜神経節)

小腸・大腸下腹部の張り、腹鳴、便秘、下痢、ガスが溜まる、免疫力
しびれ、冷え、ほてり、痛み、ふらつき

仙骨(骨盤内神経)

泌尿器頻尿、残尿感、尿が出にくい
生殖器男性:インポテンツ、早漏、射精不能
女性:生理痛、生理不順、不妊症、更年期障害、婦人科系疾患